9月9日

岡本かの子は息子太郎が風邪で寝込んだ際に
看病をせず、創作活動に没頭する。
三日後、少年太郎は母かの子にその非難をぶつける
が、かの子はあっさりと「だって、病気で汚い太郎
なんか見たくないんですもの。。」と告げる。
それを聞いた太郎はその母を何と美しい人だろうと
感じるのである。

こんな無条件な「愛」が世の中に存在するのだろう。
こんな純粋な「美」がきっと何処かにあるのだろう。

私のデスクのカレンダーは8月のままであった。
8月から私は生きていない。

ボルテージが上がる頃は、2ヶ月先いや3ヶ月先の
カレンダーであるのだが、今は石となり岩礁となり
その先が見えないのは波の高さだと思い込んでいる。

私の信じた「美」と言うものがひどく気になる。
私が美しいと感じるものが、極端にズレているのでは
無いかと不安に襲われる。

バンクーバーのSOHOとも言えるYale Townに出掛け
「自分の美は間違ってはいないのだ」と言う薄らとした
破片でも良いから見つけられ無いものかと、町を
歩く。

大きく投射して見たいのだが、投げたその地は不毛
のそれではあるまいか、乾期のひび割れた川では
無いのかと脅える。

Yale Townで引っ掛かって来たひとつのオイスターバー
がメキシコの老婆と古いドアと繋がりはするのだが、
私の中では綺麗に同一線上に置かれているのでは
あるのだが、ボルテージ下がる今はその線の上を
他人と言うものが行き来しやがる。
そして、そいつらの顔色や視線が気になって仕方ない
のだが、奴らは相変わらずまだスケキヨのお面を
被ったままである。

私が見つめ立ち止まるその側に奴らも足を止め、
その面を取り、「美しいね。。」と微笑んでほしいと
考えている間は、私のカレンダーはまだ、
8月のままなのだろう。

And a rock feels no pain;
And an island never cries.


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