ギャンブレル屋根を考える

私の町はオランダ移民の町です。

ですから町の郊外の田園地帯にはオランダ式牛舎(Barn)
を至る所で見る事が出来ます。

オランダの牛舎と言えばギャンブレル屋根です。

最近、日本のログハウスや住宅雑誌でこのギャンブレル屋根
を使ったお家を幾つか見ましたが、皆様間違っておられる。

オランダ人はもう完結したギャンブレルのフォルムを100年
以上も前に作り出しているのです。

一番間違っているのはこんな感じです。↓

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不細工ですね。なぜでしょう?

屋根のラインを上から、1辺(棟で合わさるライン)、
2辺(勾配が一番きつい真ん中のライン)そして3辺(ハネ出し)
とします。

この1辺と2辺が同じ長さで構図するとどんなにアングルを変えても
綺麗なラインは構成されません。1辺は2辺に比べて短くなければ
いけません。出来ればかなり短く。
そして折れ屋根の角度は鈍角であればあるほどかっこ良くなります。
最後に3辺のハネ出しがなければギャンブレルは完結しません。

下の写真は80歳になる私のBarnです。
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先人たちが辿り着いたラインとは本当に美しいと思います。
気付かれたかと思いますが、折れ屋根なのによりかね勾配の
屋根のラインに近いのです。

これはこの屋根を構成するトラス力学が成せる結果なのです。
中はこんな構造力学です。↓
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つまり構造美と言うやつですね。
そう、このラインは必然なのです。

オランダ酪農文化の強い北海道ではこの正しいラインを持つ
ギャンブレルルーフの古い牛舎を幾つも見る事が出来ます。

しかし、見よう見まねで作った他県のギャンブレルルーフは
美しいラインを失い、その影響が住宅にも繋がっています。

大きな牛舎の2Fに大量の干し草を収納する。
この目的から始まった設計です。

2Fの妻側に開けられたドアから干し草を押し入れる訳ですから
当然、真ん中に小屋組を支える柱があっては困る。

柱を使わずに大きな屋根を支える事は出来ないか。。。。
絞り出されたオランダトラス力学です。

同じ様にして先人は知恵を絞り、教会の設計でハンマートラスや
シザートラスを生み出してきた。

是非とも古い建築物に目を向けて頂きたい。




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